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山口新聞に代表・北尾がエッセーを寄稿しました

▲ 山口新聞(10月8日朝刊)リレーエッセー掲載分

▲ 山口新聞(10月8日朝刊)リレーエッセー掲載分

山口新聞(10月8日朝刊)にて、代表の北尾 洋二がエッセイ(リレーエッセー)を寄稿させて頂きました。

 

地域のために地域を越えて
「伝える力」が不可欠

北尾 洋二
創業支援カフェKARASTA.(カラスタ) 代表

下関市の唐戸商店街で、創業支援カフェを開業してから3か月が経つ。お陰様でカフェの利用者は予想以上に伸び、2か月で1,000名を突破。来春の年度末には、4,000名近い利用が見込めそうだ。私の出生は徳島だが、両親の出身は下関で、現在も実家は郊外の小月にある。

そんな私にとって、「唐戸」の地は、思い出深い場所だ。念願の「ファミコン」を買ったのは、当時唐戸にオープンしたばかりの都市型ショッピングセンター「カラトピア」。馬関まつりでは、あふれんばかりの人だかりの中で迷子になった思い出も。しかしながら、往時の思いに浸かるばかりでは仕事にならないという私の生業は、「雇用・就職」と「地域活性化」の支援である。

地域性

私は小学校だけで4回も転校し、2年または1年おきに家族まるごと引っ越すという転勤族の家庭に生まれた。常に変化する環境にあって、否応なしに私以外の他人や周囲、社会に意識が行かざるを得なかった。それゆえ引っ越しが当たり前になり、転勤シーズンの年度末になると父に「次はどこに引っ越すの?」と問うていた。色んな地域に行けることが、実に楽しくて仕方なかったのである。

そんな環境の中で感じていたのが、地域社会における違いや違和感といった「地域性」である。同じ日本にあっても、埼玉、東京、徳島、島根、山口、大分、宮崎と各地を転々とすると、子供心にその「違い」は強烈に印象付けられる。その違いこそが、地域間における差別化要因、すなわち「強み」へ転換できるものである。

伝道師

私は、政府・内閣官房より「地域活性化伝道師」として委嘱・任命を受けている。特に就職関連分野では、唯一の地域活性化伝道師だ。近年、働き方改革や移住促進など、地域活性化の施策に関して、今まで以上に人に寄り添う取り組みが求められている。その前提条件となるのが「はたらく」ことである。

現在運営している創業支援カフェ「KARASTA.」(カラスタ)では、「はたらくを考える」をテーマとしている。地域活性化の大前提は、そこに住む人々がイキイキと働き、生活を営むこと。ハコモノやイベントでは、根本的な解決にならない。しかもいまだに「情報化社会」と表現する人がいるが、今や「情報社会」なのである。そういった変化に対応した、改善・解決策を「はたらく」ことを通じて求められている。

情報社会の現在にあって、総花的なサービスや企画、商品は受け入れらない。エッヂの利いた、先鋭的なモノやサービスが全世界を席巻している。

そんな社会に必要な地域活性化、まちづくりに大事なことは、「地域のために 地域を越える」ことである。これは私が経営している会社の社是でもあるが、インターネットが欠かせないインフラになった今、電気や水と同じように流れているのは、紛れもなく「情報」である。SNSなどのソーシャルメディアも発達し、個人がメディアになる時代。情報はいとも簡単に地域を越え、国境を越え、世代を越え、社会的地位をも越える。地域の先にある社会・世界を見据えた情報発信が不可欠となり、「伝える力の差」が、様々な格差を生む。

人間社会を維持する根幹は、コミュニケーションである。その手段が「伝える」ということにある現実を、私たちは今一度振り返る必要がある。

 

きたお・ようじ 徳島県海南町(現・海陽町)出身。萩工業高校(現・萩商工高校)、立正大学文学部社会学科を経て、2001年にザメディアジョンに入社。12年に退職・独立し、ザメディアジョン・リージョナルを創業した。大分県立芸術文化短期大学の講師や内閣官房が任命する「地域活性化伝道師」などを務め、17年に創業支援カフェ代表に就任した。趣味は切手収集。座右の銘は「至誠一貫 知行合一」。下関市小月高雄町。39歳。

次回は北尾さんの紹介で、山口市の田村絵里子さんが担当します。

 

株式会社ザメディアジョン・リージョナル